灸(きゅう)とは
ツボを刺激するために、艾(もぐさ)を用います。
艾の原料にはヨモギの葉の裏にある繊毛が使われており、艾の質や大きさ・捻る硬さによって熱さが変わります。
灸の方法には、艾を直接皮膚の上に乗せて着火させる“直接灸”と、皮膚との間をあけて行う“間接灸”などがあります。
間接灸は、皮膚との間に熱の緩衝材になる物を入れ、熱さを和らげます。
当院の灸の説明
主に間接灸を行います。
その中でも、台座灸と呼ばれる、隔物灸の一種を用います。台座となる台紙の上でお灸をする方法です。
【安全性】
艾と肌の間に、厚紙で作られた台座があります。燃やした艾の熱は、台紙を通じて皮膚に伝わるため、火傷をしにくい構造となっています。
また、灰や転倒による火傷を防止するため、台座の裏には粘着シールがついており、お肌にソフトに付着するので、少々の揺れでも外れません。
【種類】
艾(もぐさ)を使った台座灸
良品質の もぐさ が使用されています。
台座にある通気穴から温熱と よもぎ の有効成分であるチネオールが皮膚に浸透します。最高温度は約57℃です。
線香を使った台座灸
艾の香りや煙が苦手な患者さまには、線香を用いた、煙が少ない台座灸をお勧めしています。
火を付けると、ほのかにフルーツの香りが漂い、リラックスしながらお灸が楽しめます。最高温度は約59℃で、燃焼時間が長いのも特徴です。
※ 狭い室内でも使用しやすいので、購入して、ご自宅で使用することも可能です。
鍼灸について
【鍼灸の効果】
近年の研究では、以下のことが判明しています。
鍼灸で身体の一部を刺激すると、中枢神経の中にモルヒネのような役割をもったホルモン(内因性オピオイド)が放出されることが解りました。このホルモンが、痛みを脳に伝える神経経路をブロックします。
鍼灸刺激は、神経を刺激して血行を促進し、痛みや疲労の原因となる物質を老廃物として排出する作用も持っています。
また、鍼灸刺激は自律神経に効果的に作用し、胃腸や心臓・血管などに作用することで、その働きを調節します。最近では、ヒトの持つ免疫力を賦活させる働きについても様々な研究がなされ、まだ解明されていない鍼灸の効果も期待されています。
【世界では】
1997 年には、NIH( アメリカ国立衛生研究所) から、鍼灸療法の病気に対する効果とその科学的根拠を認める見解が発表されました。
WHO( 世界保健機関) も、様々な症状や疾患について、鍼灸療法の効果や有効性を認めています。